[研究発表 新・未来プロジェクトIV / 要旨] Dグループ:Re JAPAN おもてなし観光立国
- 内容
- 近年,日本では少子高齢化に伴う人口減少への懸念が高まっている。さらに,都市部への人口の一極集中が進む傍ら,地方部における人口減少も顕著となってきており,地域経済および産業の衰退に拍車をかけている。これらの問題に対して,日本政府は「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ,少子化や人口減少対策,都市と地方の格差是正などに取り組む姿勢を強めている。しかし,それには15年度予算の概算要求基準において最大4兆円という特別枠を設けたように,多額の費用が必要となる。また,高度経済成長期を経て,経済的・物質的には豊かになったはずの日本であるが,急速な地域構造の変化によって地域コミュニティの維持が困難となり,人や地域の繋がりの希薄化が問題となってきた。その結果,自殺者や孤独死の増加,ひきこもりといった問題が顕在化し,他者との繋がりの必要性や,精神的な豊かさの重要性が再認識されてきている。例として,SNSのようなインターネットを活用した人との繋がりを提供するツールの爆発的普及は,他者との関係性に対する欲求の確実な高まりを示唆している。そこで我々は,前述の課題に対し,人が潜在的に抱いている様々な他者との関係性欲求を満足させ,かつ,地方経済の活性につなげるアイデアとして,観光分野に着目した持続可能なビジネスモデルを提案する。本ビジネスモデルは,観光する側と,もてなす側をマッチングさせ,既存のパッケージ型観光ツアーでは得難い人と人との触れ合いを生み出すことで,双方が感動ややりがいを共感する新しい循環型サービスである。今後の展望としては,まず国内における認知度及びサービスの質を向上させ,来たる2020年東京オリンピック・パラリンピックにおいて,外国人観光客への観光ガイドマッチングサービスを展開する。本ビジネスモデルを通じたサービスは,日本国内における人と人の繋がりの再構築及び地方の再活性化に貢献し,更に日本の「おもてなしブランド」を世界に向けて発信する。
- 巻
- 19巻2/3号2014年
- Page
- 52
- 題名
- Dグループ:Re JAPAN おもてなし観光立国
- Title
- Suggestion of the OMOTENASHI Business Plan
- 著者
- 岩井優作 1),佐々木祐人 2),杉田壮史 3),中村高士 4)
- Authors
- 著者表記
- Author attribution
- Yusaku IWAI, Yuto SASAKI, Takehito SUGITa and Takashi NAKAMURA
- 著者勤務先名
- 1) (株)日立製作所インフラシステム社,2) (株)東芝コミュニティ・ソリューション社,3) 東京都都市整備局,4) メタウォーター(株)
- Office name
- 著者所属名
- キーワード
- Key Words
- 概要
- 近年,日本では少子高齢化に伴う人口減少への懸念が高まっている。さらに,都市部への人口の一極集中が進む傍ら,地方部における人口減少も顕著となってきており,地域経済および産業の衰退に拍車をかけている。これらの問題に対して,日本政府は「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ,少子化や人口減少対策,都市と地方の格差是正などに取り組む姿勢を強めている。しかし,それには15年度予算の概算要求基準において最大4兆円という特別枠を設けたように,多額の費用が必要となる。また,高度経済成長期を経て,経済的・物質的には豊かになったはずの日本であるが,急速な地域構造の変化によって地域コミュニティの維持が困難となり,人や地域の繋がりの希薄化が問題となってきた。その結果,自殺者や孤独死の増加,ひきこもりといった問題が顕在化し,他者との繋がりの必要性や,精神的な豊かさの重要性が再認識されてきている。例として,SNSのようなインターネットを活用した人との繋がりを提供するツールの爆発的普及は,他者との関係性に対する欲求の確実な高まりを示唆している。そこで我々は,前述の課題に対し,人が潜在的に抱いている様々な他者との関係性欲求を満足させ,かつ,地方経済の活性につなげるアイデアとして,観光分野に着目した持続可能なビジネスモデルを提案する。本ビジネスモデルは,観光する側と,もてなす側をマッチングさせ,既存のパッケージ型観光ツアーでは得難い人と人との触れ合いを生み出すことで,双方が感動ややりがいを共感する新しい循環型サービスである。今後の展望としては,まず国内における認知度及びサービスの質を向上させ,来たる2020年東京オリンピック・パラリンピックにおいて,外国人観光客への観光ガイドマッチングサービスを展開する。本ビジネスモデルを通じたサービスは,日本国内における人と人の繋がりの再構築及び地方の再活性化に貢献し,更に日本の「おもてなしブランド」を世界に向けて発信する。
- Abstract
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