[研究発表 新・未来プロジェクトV / 要旨] 和心伝(ワジンデン) エリアの創出
- 内容
-
昨今,日本全体において,少子化や都市部への人口流出に伴い,各地方の人口減少及び高齢化が進んでいる。このまま人口減少と高齢化が続けば,地方での経済機能の低下,活力低下が進み,地方における高齢者の支援や公共サービスの維持が困難になる危機がある。この問題に対して,それぞれの地方で住みよい環境を確保し,将来にわたって活力ある日本社会を維持していくための地方創生の取り組みが求められている。政府においては,平成26 年11 月に「まち・ひと・しごと創生法」が成立し,日本として議論が進められている。
上記の背景を踏まえ,本グループでは地方創生を「地方の人口増加」,「継続的な経済活動の活性化」と位置づけ,実現に向けた取り組みについて検討した。
地方の人口減少の要因は,地域産業の衰退・縮小に伴う働き口の不足による人口流出に一因があると考えられる。一方で,人口減少率が縮小,または人口増加に転じた地方がみられる。こうした地方では,観光振興や一次産品の加工販売など,地域の自然環境等を活かした取り組みを進めており,これによる雇用創出やそれに伴う移住者増加といった改善がみられた場合が多い。人口増加は経済活動を活性化させ,働き口が増加するという好循環を生み出す。ここで,人の動きと言う観点では,日本全体での人口は減少を続ける一方,昨今の海外からの日本への旅行者が急増している。海外旅行者は日本の建築,技術,文化,伝統へ関心は高く,大都市だけでなく地方への関心が高まりつつあるが,現状,海外からの旅行者は知名度の高い地域への訪問が中心になっている。目立った観光資源を持たない地方においては,旅行者の増加を見込みにくいと想定した。彼らに対し,地域の魅力を発信することで来訪を促し,定住させることができれば,観光業,ひいては地域経済の活性化につながると考える。
これらより,本グループでは,既存の観光資源を潤沢に持たない地方をターゲットとし,昨今増加傾向にある海外からの旅行者の訪問を促す施策として,地域の特徴を再発掘することや新たな地域コンセプトを付加することによるテーマエリア「和心伝エリア」の構築を提案する。和心伝エリアには,既存の魅力と新規コンセプトを融合させ,地域全体で日本らしさを表現したテーマを持たせる。地域全体で取り組むことにより,情報発信力を強く発揮でき,多くの人に訪れたい・住んでみたいという興味を持たせられると想定した。本提案を採用することで,海外旅行者の移住推進や地域による継続的な経済活動の強化が期待される。 - 巻
- 20巻2/3号2015年
- Page
- 76
- 題名
- 和心伝(ワジンデン) エリアの創出
- Title
- The Generation ofWAJINDEN Area
- 著者
- 浅井孝央1),河原林雅2),古寺倫也3), 室賀樹興4),芳住啓輔5)
- Authors
- 著者表記
- Author attribution
- Takao ASAI 1), Masaru KAWARABAYASHI 2), Michiya KODERA 3), Tatsuoki MUROGA 4) and Keisuke YOSHIZUMI 5)
- 著者勤務先名
- 1)(株)堀場アドバンスドテクノ, 2)(株)日立製作所インフラシステム社, 3)水ing(株), 4)(株)堀場製作所, 5)(株)安川電機
- Office name
- 著者所属名
- キーワード
- Key Words
- 概要
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昨今,日本全体において,少子化や都市部への人口流出に伴い,各地方の人口減少及び高齢化が進んでいる。このまま人口減少と高齢化が続けば,地方での経済機能の低下,活力低下が進み,地方における高齢者の支援や公共サービスの維持が困難になる危機がある。この問題に対して,それぞれの地方で住みよい環境を確保し,将来にわたって活力ある日本社会を維持していくための地方創生の取り組みが求められている。政府においては,平成26 年11 月に「まち・ひと・しごと創生法」が成立し,日本として議論が進められている。
上記の背景を踏まえ,本グループでは地方創生を「地方の人口増加」,「継続的な経済活動の活性化」と位置づけ,実現に向けた取り組みについて検討した。
地方の人口減少の要因は,地域産業の衰退・縮小に伴う働き口の不足による人口流出に一因があると考えられる。一方で,人口減少率が縮小,または人口増加に転じた地方がみられる。こうした地方では,観光振興や一次産品の加工販売など,地域の自然環境等を活かした取り組みを進めており,これによる雇用創出やそれに伴う移住者増加といった改善がみられた場合が多い。人口増加は経済活動を活性化させ,働き口が増加するという好循環を生み出す。ここで,人の動きと言う観点では,日本全体での人口は減少を続ける一方,昨今の海外からの日本への旅行者が急増している。海外旅行者は日本の建築,技術,文化,伝統へ関心は高く,大都市だけでなく地方への関心が高まりつつあるが,現状,海外からの旅行者は知名度の高い地域への訪問が中心になっている。目立った観光資源を持たない地方においては,旅行者の増加を見込みにくいと想定した。彼らに対し,地域の魅力を発信することで来訪を促し,定住させることができれば,観光業,ひいては地域経済の活性化につながると考える。
これらより,本グループでは,既存の観光資源を潤沢に持たない地方をターゲットとし,昨今増加傾向にある海外からの旅行者の訪問を促す施策として,地域の特徴を再発掘することや新たな地域コンセプトを付加することによるテーマエリア「和心伝エリア」の構築を提案する。和心伝エリアには,既存の魅力と新規コンセプトを融合させ,地域全体で日本らしさを表現したテーマを持たせる。地域全体で取り組むことにより,情報発信力を強く発揮でき,多くの人に訪れたい・住んでみたいという興味を持たせられると想定した。本提案を採用することで,海外旅行者の移住推進や地域による継続的な経済活動の強化が期待される。 - Abstract
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